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この小冊子を書くにあたって、ひとつのきっかけがありました。
本文に詳細がありますが、私の友人が中古住宅を買ったときの話です。
「不動産について考えたいことがあったら、何でも相談しろよ!」
そういっていたにもかかわらず、悪質な不動産業者の口車に乗せられて、欠陥住宅を購入してしまったのです。
私がその話を知ったのは、彼が契約してから半年も後のことでした。
奥さんの実家まで電車の乗り換えをしないで行くことができる中古住宅を購入しました。
室内は、多少傷みは感じられたものの、幸いにも、広さ・間取りともに理想に近いものです。
「この物件はおすすめですよ。いずれリフォームすれば、あと30年は住むことができます」
営業マンのこの言葉が後押しとなり、夫婦そろって喜んで契約書に印鑑を押したといいます。
ところが、です。
いざ住みはじめると、すぐに家のあちこちに不満を感じるようになりました。
特に気になったのは、床からメキメキとなる音、それに足元から吹き付ける冷たい風。小さなことまであげれば、雨戸が固くて閉まらなかったり、コンセントが壊れていたり、次々と不審な箇所が見つかったといいます。
彼はあわてて不動産業者に連絡しました。
すると、その営業マンは
「うちはリフォーム屋ではありません。引渡しは済んでいるんですから、あとはそちらでなんとでもしてください」
と、まるで知らん顔。
このときになってはじめて、彼は顔から脂汗がでるのを感じたそうです。
後日、私のところに相談にやってきた彼と奥さんは、なんだかとても疲れているように見えました。
その不動産業者は、その物件をかなりリフォームが必要な欠陥住宅とわかっていながらすすめたのか、何も知らないまますすめたのか、私には判断できません。
でも、少なくとも、自分の手で引き渡した物件のお客様からクレームがあるのですから、誠心誠意、力になろうとするのがプロとしての姿勢でしょう。
それを「知らぬ存ぜぬ」の一点張りで逃げようとするのですから、なんともヒドイとしかいいようがありません。
不幸中の幸いというのも気が引けますが、私にはリフォームの知識もあります。腕のよい職人を手配して徹底的に調べてもらったところ、すべてをきちんと直すには彼の年収ほどの金額がかかることがわかりました。
そのうえで、彼にきちんと事情を説明して、なんとか不安を解消できる範囲で工事をすすめることになりました。
私はこの出来事を通じて、たくさんのことを考えました。
不動産はあまりにも高い買い物です。
世の中には右も左もわからないまま欠陥住宅をつかまされ、毎日夜も眠れないほど怒りを抱えていたり、悲しみと後悔でいてもたってもいられない気持ちを抱いている人もたくさんいるのです。
家は買ったときがゴールではありません。
住み始めてから新しい生活がスタートするのですから、「買うこと」ではなく、「住まうこと」を第一に考えたうえで、物件選びをしなければなりません。
私は、安心してマイホームを手に入れることができるように・・・
という願いを込めてこの小冊子を書きました。
私にできることは限られています。
けれども、何か少しでも不安に思うことや心配に感じることがあったら、どうかお気軽に声をかけてください。
あなたの力になれるよう、全力でサポートさせていただきます。
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